今月分の介護用ベッドのレンタル代の請求書が来た。
付属品込みで1,975円。
マットレスが、退院時の病院からの指示で
床ずれ防止専用のものなのだそうだ。
普通のマットレスより少しお高いらしい。
夫は寝たきり状態を脱したため、今は床ずれ予防の心配がない。
夫の状態を分かってくれている介護用品のレンタル事業所の人は
今のままだと費用がかかるので、普通の(安い)マットレスに
交換しても良いのではないかと言ってくれるが、
それには看護師の指示書なり許可書のようなものを
もらわなくてはならないらしい。
なんだか面倒臭いシステムなんだなあ。
介護用品のレンタル事業所の人は、
もともとは親の代から違う自営の仕事をしていて、
数年前に今の仕事も並行して始めたようだ。
訪問看護師と同じように、体調だとか体の動きとか、
外出の回数、どこに何をしに行くのかを聞いて
書類にまとめて然るべきところに報告をするらしい。
最初は全く畑違いだったので、そういうことが聞けずに
あとで書類に書くときに困ったという話をしてくれた。
これから介護分野がどんどん伸びていくのだろう。
求人広告を見ても、介護系の求人が増えている。
今まで介護とは無縁に過ごしてきたが、夫が介護認定を受けて
この業界の人たちの仕事ぶりを見る機会ができ、
ふと、数年前から介護系の資格を取ろうとがんばっている
中学時代に知り合った友人のことに思いを馳せた。
ああ、こんな仕事を彼女はしようとしているのか。
それに引き換え私は、毎日夫と二人で家に閉じこもって
ときどき耐えられなくなって夫に八つ当たりをしながら過ごしている。
こんな生活は不毛だ。いつまで続くのやら。
そういえば、数か月前に抗がん剤治療で夫が入院した時に
夫と同室だった年配の方が亡くなった。
その方は亭主関白で、奥さんは「はいはい」とご主人の言うことを
何でも聞いていて、傍からは夫唱婦随の仲の良いご夫婦に見えた。
ご主人が亡くなってから会って話をした時に
「あんなダンナ、早く逝ってしまえ!とずっと思っていた」と言うので
ちょっとびっくりした。
「でもね、そんなダンナでも、いないと寂しいよ。
おたくはダンナが良くなってよかったね」と言われた。
今は悪くはないけど、たぶん少しずつ悪くなっていくんですよ。
癌に蝕まれて、抗癌剤にも蝕まれていくんですよ。
いつまで続くのか分からないんですよ。
これはこれで、なかなか辛いものがあるんですよ。
患者も、家族も。
良いことといえば、みんなが気遣ってくれることかな。
夫が病気ではなかったら、私もがんサバイバーではなかったら、
こんなにみんなが気を遣ってくれることもなかったかもしれない。
癌になって良かったのかもしれない。
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