今朝、雨が降りそうな曇り空の下、
早めの心療内科に行ってきた。
今日はいつもより待合室が空いていて
10時には薬局の用事も済んで、
すぐ前のバス停からタイミングよく帰りのバスに乗れた。
帰るころにはすっかり晴天。
家の雨戸を半分しか開けてこなかったことを後悔した。
うちの近所で、夫が生前変わり者と呼んでいた老婦人が雪かきをしていたので
「こんにちは。雪、なかなかとけませんね」と話しかけた。
夫がなぜ彼女を変わり者と呼んだのかというと、
家の中でずーっと独り言を言っているのが、外まで聞こえていたからだ。
最初は、独り言だと思わず、普通に夫婦の会話をしているのだと思っていた。
ところが、彼女のご主人はとっくに亡くなって、
ご子息と二人暮らしだということがわかった。
ご子息は毎日朝早くから夜遅くまで仕事に出かけているので、
「どう考えてもあれは独り言だし、あんな大きな声で独り言を言うなんて
おかしな人だ」と夫は彼女を気味悪く思っていたようだ。
私は、もしかしたら少し認知症なのではないかと思っているが、
話しかけると、結構気さくに、普通にまともに話をしてくれる。
今日も、気さくに話をしてくれたのだが、
「最近、お宅のご主人、どうしたの?」と聞かれた。
近所で夫の死を知っている(知らせた)お宅は3軒だけで、
それも、今回のように道で出会って立ち話をしたから伝えただけ。
うちのあたりは、ぽっかりと自治会から抜けている地区なので
こちらからわざわざ知らせなければ、誰も知る由もないわけで。
一軒一軒たずねてお知らせすることもないと思ってそのままにしている。
「去年、病気で亡くなりました」と言うと、
「あら、知らなかったわ・・・。
このあたりの人は、みんな私のことを無視して、
誰も何にも教えてくれないのよ」と・・・。
「ああ、ご近所さんに、特にお伝えしてなかったので
ほとんどの皆さんが知らないと思いますよ。
こうやって、夫の事を聞かれればお話しますけど、
こちらからは、あえて言わないので」
「そうなのー。
この間まで1ヶ月以上も雨戸が閉めっぱなしだったでしょ。
息子に言ったら、死んでるんじゃないの?なんて言ってさ。
あれ、雨戸が開いたなーと思ったら洗濯物も干さないし、
暗くなっても電気がなかなか点かない日があるし
どうしたんだろうと思ってたのよ」
って、他人の家のことよく見てるなぁ・・・と感心した。
洗濯はカゴいっぱいになってからするので、毎日やらない。
暗くなっても、二階の真ん中の部屋にいれば、
外からは、電気が点いていてもわからない。
うちのお隣さんには、夫の郷里に行くことや事情を話して、
いつ帰れるかわからないけど納骨まで済ませてくるので
年末か年明けまで留守にするかも、と知らせたのだ。
老婦人、不審に思ったのなら近所の誰かに聞いてみてよー。
本当に家の中で死んでたらどうするつもりなのよー・・・
老婦人のお隣さんには、夫が亡くなって少し経ってから
道で挨拶したときに聞かれたので、夫のことを話した。
老婦人の「近所の人に無視されて、何も教えてくれない」っていうのは
あながち誇張ではないかもしれない。
ただ、無視はしてないと思うけどな。
でも・・・
数年前まで、老婦人と彼女のお隣の奥さんが、
よく連れ立って外出するのを見かけた。
いつごろからか、ふたりでいる姿を見なくなった。
まあ、何かがあったのでしょうね。たぶん。
だから、お隣さんに聞くこともしなかったのね。
ご近所さんって、
そこに住まなければ一生かかわることもない人なのに、
たまたま近くに住んでいるから『知り合い』ではあるわけで、
何十年もそばにいれば『友達に近い知り合い』になるだろうけど、
そうでなければ『他人に近い知り合い』なんだよね。
いい年をした私がこんなことを言うのもおかしいけど、
距離のとり方が難しい。
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