抗癌剤4th LINE。入院1日目

新たな薬での治療が始まるための入院。

病棟から車椅子で迎えに来たので、病室まで車椅子で。

入院時に毎回測る身長、体重だが、

前回の入院時より体重が 8kg 減っていた。

前回までの話では今日からオプジーボを使うことになっていたので

夫も私もそのつもりでいた。

採血、X線、MRIの後はウトウトし始める。


看護師に「奥さん、ちょっといいですか」と呼ばれ、

これから、家で一人で介護をしていくのは無理だと思うので

介護認定の申請をしてみたらどうかと言われた。

いきなり、寝耳に水。

介護?

看病ではなくて、介護?

ひとりでは無理?

どういうこと?

「食べられなくなってきているようで、体重が20日くらいで 8kg も減っているし、

歩くのも大変になってきているし、要介護2くらいの認定が出ると思いますよ」

要介護2?

要支援ならまだしも、要介護の2?


混乱しながら病室に戻り、しばらく物思いにふけっていると、

担当医チーム(3人いる)の一人が来て、夫が目を覚ました。

そこで急に、オプジーボではなくジオトリフに変更になったと言われた。

ここでも寝耳に水。

効く人が2割しかいないことは報道などで知ってはいたけど、

それでも効く人には画期的に効くというので

希望を託してオプジーボに臨もうとしていたのに、

急に変更を告げられて夫はしばし放心状態、その後涙目に・・・。

脳に転移したために、もう駄目だと見捨てられたような気がした。

だって、6か月以上の生存の希望がない場合はオプジーボは使うなという

お達しが出ているとかいないとか、そんな記事をちらっと見た記憶がある。

やはり脳転移で終末期のカテゴリーに入れられてしまったのか。

夫も同じ気持ちだったのかもしれない。

「後で主治医から説明があると思うから」と困惑気味に担当医は退場。


お昼過ぎからビフリードの点滴開始。

家では少しは食べていたけど、血液検査の結果、栄養と水分が足りなかったらしい。


夕方になり、病室に主治医が説明に来た。

曰く、オプジーボはすぐに効果が出るという薬ではない。

今の幻覚や歩けなくなっているといった状態は、転移した脳腫瘍が原因だと考えられる。

放射線の副作用でこういった症状が出るのは、1年以上たってから。

入院中に使った薬のせいなら、退院後は使っていないので、副作用ではないと言える。

脳にいく血管には、悪いものがいかないようにバリアがあって守られているのだが、

今はそのバリアが壊れているのではないかと思う。

そのために脳転移が起きてしまった。が、今なら抗癌剤も脳に届くと考えられる。

そのために、早く効く抗癌剤で脳のガンも叩いたほうが良いと考え、

ジオトリフを使うことにした。

また、オプジーボの次にジオトリフを使うと

間質性肺炎で重篤な症状が出ることが分かってきたため、

今後の治療の選択肢を増やすという意味でも、先にジオトリフをやりたい。

眠ってばかりいるのはメリスロン錠のせいなので、

メリスロンは止めます。


その後また、主治医に「奥さんとお話がしたい」と呼ばれた。

患者のいないところで話す話なんてロクなことではないと想像がつく。

「あまりの進行の早さにびっくりしています。

脳幹、小脳、脊髄にも転移が見られます。

ジオトリフが効くと良いのですが(効かないかもしれませんと行間からにじみ出ている)。

知らせておきたい人には、話をしておく時期かもしれません」

と、もう今すぐどうこうなっちゃってもおかしくないですよ的な雰囲気。

「勝手に起き上がってふらついて倒れると危ないので

ベッドにセンサーを付けます。

後で看護師が持っていくと思いますが、身体拘束を許可する書類に

サインをお願いしたいのです」

危ないからと言われれば、拒否できない。

看護師さんから介護認定の申請を勧められましたと言うと、

「申請は、とりあえずしておいてください」と。

え? やっぱりそうなの?


奈落の底を覗いた。

明日からジオトリフだ。

ほぼひとりごと

2010年、乳がん発覚(DCIS・0期)、患側全摘手術、2011年再建、2018年サイズダウン。 2015年、夫の肺腺癌発覚(胸水確認・4期)、2016年多発脳転移、2017年髄膜播種、多発骨転移、かえらぬ人に。 2017年X'mas、診断:PTSD・うつ。双極性障害の疑い。2021年、発達障害の疑い。 そんな日々の記録と愚痴。

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