ありがとう

夫の従姉から「四十九日の法要にお供えしてね」と

郷里のお菓子が届いた。

法要は終わってしまったけれど、

本当の四十九日は明後日なので

お仏壇に上げさせてもらった。

四十九日を覚えていてくれるなんて本当にありがたいことだ。

命日は覚えていても、なかなか四十九日なんて半端な日は覚えられない。

ましてや、百箇日ともなると、夫の子供たちですら

覚えているかどうか微妙だ。


とはいえ、この従姉は僧侶でもあるので

覚えていてくれても不思議はない。


未だに夫がいないことが信じられない。

アルバムの中にあるたくさんの写真に写っている夫と、

この間亡くなった夫は顔つきも全然違うし、

別の人かもしれないと思う。


昔の人(?)なので夫は何でもとっておいた。

お菓子の包み紙、箱、リボン、紐、私が落書きしたメモ用紙の切れ端・・・

私にとってはただのゴミだ。

棚の上に積まれた、お歳暮のハムが入っていた箱とか、羊羹の箱とか、

気候が良くなると必ずそのあたりから、黒いあの嫌われ昆虫が出てくる。

最近、カサカサと何者かがいるような音が聞こえるようになった。

今日は思い切って箱を下ろして壊した。

例の黒い昆虫の死骸でも出てくるかとビクビクしたが

大丈夫、生き物の残骸は何もなかった。

携帯電話の箱とか、クッキーの箱とか、いつのものかわからないものが隠れていた。

しょっちゅう止まってしまう置時計の説明書も出てきた。

孫にもらったらしい不思議な工作物も隠れていた。


夫のCDの棚を見たら、すきまがないほどに入っていたはずなのに

あちこちにすきまができているのに気づいた。


謎だ。

夫のしたことはすべて謎だ。

いつ、どうして、どのようにして、どこに

全部私のあずかり知らないところで、だ。


答えを知っている人はもういない。

ほぼひとりごと

2010年、乳がん発覚(DCIS・0期)、患側全摘手術、2011年再建、2018年サイズダウン。 2015年、夫の肺腺癌発覚(胸水確認・4期)、2016年多発脳転移、2017年髄膜播種、多発骨転移、かえらぬ人に。 2017年X'mas、診断:PTSD・うつ。双極性障害の疑い。2021年、発達障害の疑い。 そんな日々の記録と愚痴。

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