入院前は3日に1回出るか出ないかだった夫の便。
入院したら急に水様便が日に何度もあり、
シーツもタオルケットも替えたばかりでまた汚すような状態で、
そのうちに寝具交換どころか、おむつ交換も、
呼んでも1時間も待たされたりするようになってしまった。
退院して今日で3日。
特に何をしたわけでもないけど、水様便が少し治まってきた。
病院では、下痢は薬の影響だと言われてたけど、
これって精神的なものではないのか?
何にせよ、頻回の多量の水様便はおむつ交換も大変なので
少し泥状になって、回数も1日1~2回に減ったことは
ひとりで奮闘している私には本当にありがたいことだ。
尿取りパッドだけ交換すれば良いなんて、ものすごく楽だもの。
今日、主治医たちが往診に来てくれた。
夫は眠くてなかなか起きられなかったけど、挨拶だけはできた。
「落ち着いてるね。気持ち良さそうに眠っていていいね。
これからもっと、眠っている時間が増えていくと思う。」
「大丈夫?奥さんが倒れないようにね。」
主治医たちが来てくれると安心するのは、夫よりも多分私だ。
「奥さんの判断は、どんな時でも間違ってないから!」
そう言って励まして応援してくれる。
訪看は「奥さんは何もわかってない」なんて言って
私の気持ちを追い詰めたり、思い通りに私を動かそうとしたけど、
「大丈夫!奥さんが一番ご主人のことを分かってるんだから!」って
夫の主治医たちは私を全面的に肯定してくれる。
夫がもう長くないことを、
病棟の看護師や訪看は、無理やり穴を掘って穴の底を覗かせるようなやり方で知らせたけど
主治医たちはゆっくりと、土に水が浸み込んでいくのを待つようにしながらわからせてくれた。
「ご主人に対して今は特別にすることはないけど、また顔を見に来ます。
何かあれば、いつでも連絡してください。緊急じゃないならメールでもいいですよ。」
たったそれだけの言葉で、気持ちがふっと楽になった。
僧侶である夫の従姉も、精神的な力になってくれている。
周りには支えてくれる人がいる。
大丈夫だ。きっと私は大丈夫だ。
認めたくないけど、ゆっくり気持ちの準備もしていかなくちゃ。
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